一年を通して降水量の少ない瀬戸内の穏やかな気候と山海の幸、そして古くから文化の発達した土地である岡山県。現在の岡山県は江戸時代には、池田家の治めた岡山藩のほかに、天領である倉敷代官所領の他、備中松山藩や浅尾藩、丹波亀山藩、岡田藩のほかさまざまな旗本領や寺社領があったため、各地域ごとに独自の文化が形成されている。なかでも、岡山県の中心地である岡山市と倉敷市は見どころの多い街である。今回は、その2市でわざわざ楽しみたい、岡山・倉敷ならではの郷土料理をご紹介したい。新幹線に乗ればあっという間にたどり着く、岡山を味わい尽くす。
瀬戸内の幸を居酒屋以上･割烹未満の町家店で『鬼の厨 しんすけ』
蔵が建ち並んでいた地、倉敷はアイビースクエアや大原美術館など、美観地区を中心とした観光の街で、一気に旅モードに運んでくれる。そして有り難いことに、「美しい街並み」と「うまいもの」がしっかり両立している街でもある。
倉敷美観地区で本格フレンチの優雅な時間を『Premier』
フレンチの名店『プルミエ』は漁師町・下津井出身のオーナーシェフ･寺﨑仁人さんの店だ。地元から仕入れる魚介を中心に、秋冬は吉備中央町からのジビエがお薦め。さらにベーコンやスモークサーモンなど自家製のものを用意している。
潮流激しい下津井のうまみあふれたタコを食べ尽くす『元祖たこ料理 保乃家』
「明石海峡よりも潮流が激しい」とも言われる下津井沖。潮流に流されないように岩などにしがみつくためか、この地域のタコは他のそれよりも脚は太くて短く、マッチョタイプが多いという。
児島の絶景を眺めながらのおまかせにぎり『仙太鮨』
行きたかった『仙太鮨』は児島駅から車で５分ほど。小さな漁港の近く、防潮堤の際にある。
岡山市街地の良心酒場でバラエティ豊かな地魚を『居酒屋 もりもと』
岡山市内では、人気の『居酒屋 もりもと』を訪ねた。昭和37（1962）年創業。名物大女将の森本ヒサ子さん、息子の広明さん、板長の福田幸昌さんほか、ほんわかした雰囲気で迎えてくれる名店だ。