近年話題となっている「自然派ワイン」。ナチュラルワインやヴァンナチュールなどと様々な呼ばれ方をするが、簡単に言うと人間は最低限度の管理をして、自然に近い状態で造り上げたワインということ。古代から知られるように、本来葡萄の果皮には酵母がついていて、その力で発酵し、ワインが造られる。しかしながら、近代になり大量生産や品質安定のために農薬などを使って育て培養酵母によって発酵させ、大量の酸化防止剤を使うことがスタンダードになってしまった。
けれど、テロワールという言葉に代表されるようにその土地を表現するということがワインらしさであるなら、ありのままのワインを造ろうというのが、いわゆる「自然派ワイン」。小規模な生産者が多く、以前は品質が不安定なものが少なくなかったが、近年は特筆すべて気ワインが増え、これまでワインが苦手だった人まで好むようなピュアな味わいで人気となっている。
そんな自然派ワインをいち早く金沢の街に紹介し、地元民からも愛されているのがこちら。スキーのモーグル選手を引退した後、北海道で地元の老舗イタリアンで料理人としてスタートを切った佐藤忠博さんが、従姉妹が働いていたイタリアのお店でイタリア料理の奥深さに衝撃を受け本格的にイタリア料理にのめり込み、名古屋の自然派志向のイタリアンでシェフをしたのち、2013年に金沢を代表する飲食店街である木倉町で店を開いた。