特集
歴史と文化、そして素晴らしい食資源にあふれる松江へ

松江

2019年7月16日

歴史と文化、そして素晴らしい食資源にあふれる松江へ
宍道湖と中海、そして日本海という塩分濃度の異なる水源を持ち水産資源豊かな日本国内でも類を見ないほど魚種が豊かな島根県の中心地・松江。また、国宝・松江城やその堀を船で巡る堀川巡り、城周辺の古い街並み、さらに小泉八雲の足跡を訪ねるとこの街の豊かな文化がひしひしと伝わってくる。
魚介以外にも和牛やそば、酒造り発祥の地と言われるだけに地酒も豊富。冬の味覚も素晴らしいが、美しい街並みと食を両方楽しめる、夏の松江をオススメしたい。
編集 松尾 大(ぐるなび)

島根の恵みが驚くほどリーズナブルに楽しめる一軒『海鮮問屋 博多』

島根の恵みが驚くほどリーズナブルに楽しめる一軒

JR松江駅からほど近い、伊勢宮という繁華街の中で昼時からひときわ賑わいを見せている海鮮料理居酒屋がこの『海鮮問屋 博多』だ。巨大なカニの看板が目印のこちら。その看板通り、一年中カニ料理が味わえる人気店だ。店前の水槽にはカニのほか、海の魚、川の魚、すっぽんなどさまざまな食材が生かされている。店内に入っても、そばを挽くための石臼や野菜が水耕栽培されているなど、あらゆる料理がいただけることがわかる。

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松江が誇る山陰を代表する宿でいただく名物『皆美館』

松江が誇る山陰を代表する宿でいただく名物

松江・橋北地区にあり山陰地方でも有数の老舗旅館がこの「皆美館」。創業130年あまりの歴史を誇り、皇族も宿泊した宿である。他にも、芥川龍之介、河井寛次郎、高浜虚子はじめ、数多の文化人、政財界人、美術家が訪れたというこの地でも別格の存在だ。特に、昭和のはじめに島崎藤村が宿泊したときの部屋は「藤村の間」として、当時のまま保存し、現在も客室として使われている。

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地元民に愛される、松江を代表する寿司店『呉竹鮨』

地元民に愛される、松江を代表する寿司店

松江の街は、その中心を流れる大橋川で橋北と橋南にわかれる。それぞれの地区を代表する繁華街は、JR松江駅に近い橋南が伊勢宮、そして橋を渡った橋北がこの『呉竹鮨』のある東本町となっている。松江城からもほど近い東本町界隈は、伊勢宮に比べ落ち着いた雰囲気の店舗が多く、客の年齢層も比較的高いエリアである。

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酒匠の店 佐香や 東本町本店『酒匠の店 佐香や 東本町本店』

酒匠の店 佐香や 東本町本店

一説によると日本酒造り発祥の地とも言われる、島根。この地で、酒蔵を後世に残すため、イベントなどではなく、ちゃんと店で酒を飲んでもらい日本酒好きを増やしていこうとしているのが、この『佐香や』だ。店名も、古くから酒の神様として信仰を集めてきた出雲の佐香(さか)神社から。その名にふさわしく、約80種類の日本酒の中で60種類以上が島根の地酒という、地酒好きにはたまらない一軒だ。

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しっかり噛んで、味と香りを楽しむ珠玉のそば『神代そば』

しっかり噛んで、味と香りを楽しむ珠玉のそば

そばといえばどちらかというと東日本で食べられるものをいうのがステロタイプなイメージではあるが、この地においては事情が違う。もともと古来より出雲地方ではそば栽培が盛んだった。さらに、1638(寛永15)年にそれまで信濃松本藩主であった松平直政が、出雲国松江藩初代藩主として加増移封。その時にそば切りが伝わったとされているから、そば切り文化は江戸にも引けを取らないくらい長い。
また、7代松平治郷(不昧公)がそれまで庶民の食べものだったそばを茶懐石の中で用いるようになり、ハレの日の食べ物となった。その頃の江戸では身分の低い者しか口にしなかったということを考えると、むしろこの松江は江戸を凌ぐ、そば文化を誇る街だといえる。

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