特集 / 歴史遺産と恵まれた食材を存分に楽しみに下関へ
古くから交流があった韓国の本物の文化を下関の邸宅で知る

下関

2019年3月18日

古くから交流があった韓国の本物の文化を下関の邸宅で知る
下関には戦前から多くの韓国・朝鮮の人々が暮らし、1970年以降は関釜フェリーという釜山と下関を行き来するフェリーがほぼ毎日運行され、下関駅近くのグリーンモールには、韓国料理店や食材店が軒を連ね、「とんちゃん鍋」というもつ鍋が名物となるほど、その生活に深く根付いている街だ。一般的に韓国料理と言えば、唐辛子を使った辛い料理というイメージが強いが、それだけではない奥深さがあることを教えてくれる店がある。
下関の中心であった唐戸から徒歩10分程度。以前は商店街があった赤岸通りの半ばの高台にある立派な邸宅が『李’s』だ
下関の中心であった唐戸から徒歩10分程度。以前は商店街があった赤岸通りの半ばの高台にある立派な邸宅が『李’s』だ

『李‘s』は、福岡をはじめ全国で料理教室も主催する料理家の李麗愛さんが、ご自宅で腕を振るう一軒家レストラン。約20年前に建てられたという建物は、日本家屋に韓国の伝統的な建築のエッセンスを加えた、折衷様式。店内も和室もあれば、韓国と西洋を組み合わせた空間となっていて、いわゆるステロタイプな韓国料理店のイメージとは異なる。供される料理も同じく、「赤い辛い」という韓国料理のそれとは異なる。

オモニのチャプチェ(800円)と名付けられた、チャプチェは一般的にイメージされがちな茶色い炒め物ではなく、白いチャプチェとも呼ばれている
オモニのチャプチェ(800円)と名付けられた、チャプチェは一般的にイメージされがちな茶色い炒め物ではなく、白いチャプチェとも呼ばれている

ご存じの方もいらっしゃるだろうが、もともと朝鮮半島には唐辛子がなかった。16世紀末になり、唐辛子が輸入されたことで今の一般的なイメージの韓国料理が始まった。そのため、古くから愛されてきた韓国料理は意外なことに優しい味わいの料理が多い。そんな料理を広く知ってもらいたいと李さんが9年前にはじめられたのがこの『李’s』というわけだ。その立地から隠れ家的な存在で、特に告知もなく口コミで評判が伝わって今に至る。
店名の李’sというのは、「李」さんの名字というだけでなく、「リーズナブル」にいただけるという意味も込められている。

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