特集 / 浪速割烹で日本料理の味わい深さを知る
今後注目のエリアに佇む、一軒家割烹

大阪

2018年12月6日

今後注目のエリアに佇む、一軒家割烹
大阪の景色を一望できる空中庭園のある、梅田スカイビル近く。築50年の一軒家を改装した趣ある構えの『浪速割烹 昇』は2016年に開店。予約の取りにくい割烹として評判の一軒だ。ご主人落合昇さんは「繁華街ではなく、わざわざ来ていただける場所で、一組一組のお客様を大事にしよう」とこの地を選んだと話す。
金目鯛、セコガニの蕪蒸し、天王寺蕪の葉を使ったすり流し。だしは道南黒口浜の真昆布と鰹節を使用。料理はすべて10,000円のコースから。
金目鯛、セコガニの蕪蒸し、天王寺蕪の葉を使ったすり流し。だしは道南黒口浜の真昆布と鰹節を使用。料理はすべて10,000円のコースから。

落合さんは広島県福山市出身の42歳。高校時代、鮮魚店のアルバイトで庖丁を扱う面白さを知り、卒業後は徳島県にあった平成調理師専門学校へ。すべてのジャンルの料理を学んだが「四季のある日本料理に魅了され」、徳島の仕出し屋で7年弱を過ごした。その後、心斎橋『懐石料理 桝田』へ。9年間修業を積み、「食材の扱いなど料理の基礎を学び、当たり前のことを当たり前にできるようになりました」。その後、アラカルトを供す割烹の仕事も見てみたいと『浪速割烹 㐂川』で5年半過ごす。「こちらで初めて肉を扱いましたし、なにわの伝統野菜などこれまで知らなかった素材に刺激を受けましたね」。

二人前が盛り込まれた、季節が映える八寸。あんぽ柿とバター、くるみの飴炊き、むかごのかまぼこ、天然もろこの唐揚げなど
二人前が盛り込まれた、季節が映える八寸。あんぽ柿とバター、くるみの飴炊き、むかごのかまぼこ、天然もろこの唐揚げなど

独立後、一人でのスタートとなり、料理はコースに絞った。魚介の仕入れは黒門市場と木津市場から。野菜は中津『ボニートーン』が中心だ。コースでの圧巻は『懐石料理 桝田』譲りの八寸。牡蠣を生姜で炊いた後に燻製にし、ジャガイモの衣をつけた「みのむし揚げ」や、魚のすり身を使い黒砂糖でコクと甘みを持たせた厚焼き玉子、餅銀杏と大阪菊菜のおろしポン酢和えなど、盛りだくさんな構成。雪をまとったあしらいや柿の器で12月を演出している。

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