特集 / 浪速割烹で日本料理の味わい深さを知る
毎日用意される150種の料理から楽しめる割烹の真髄を

大阪

2018年12月6日

毎日用意される150種の料理から楽しめる割烹の真髄を
心斎橋駅から心斎橋筋商店街を南へ徒歩数分。八幡筋を東へ折れてすぐ右に、3階建ての『おおさか料理 浅井東迎』がある。暖簾をくぐると、広がる14席の長いカウンターと厨房。ご主人の東迎高清さんを中心に、総勢12名もの料理人がきりりと動く姿が見える。圧巻だ。
イカのウニ巻つくり3,240円。ウニを巻いた剣先イカをぎざみ海苔とともに、黄身醤油でいただく。うまみを重ねた、まったりと濃厚な味わい
イカのウニ巻つくり3,240円。ウニを巻いた剣先イカをぎざみ海苔とともに、黄身醤油でいただく。うまみを重ねた、まったりと濃厚な味わい

東迎さんは59歳。日本の最西端、沖縄県・与那国島出身である。実家が食堂を営んでいたこともあり、自然と料理の世界へ傾倒していった。那覇市の調理科のある高校に進学し、料理の基礎を習得。その後、「食=大阪」と大阪へ。結婚式場での3年を経て、念願だった割烹の世界に飛び込んだ。「初めは食材の豊富さ、料理の綺麗さに驚きましたね」。『浪速割烹 㐂川』の暖簾分けである『㐂川 浅井』の浅井洋司さんの下で、28年を過ごす。うち10年以上、支店の料理長を務め、2008年に独立した。

大阪らしい逸品、サエズリと青菜2,700円。サエズリのコク、青菜のシャキシャキ感、だしのうまみが一体となっている
大阪らしい逸品、サエズリと青菜2,700円。サエズリのコク、青菜のシャキシャキ感、だしのうまみが一体となっている

料理はコースでもいただけるが、特筆すべきは、アラカルト。毎日、東迎さんが墨字で綴る献立は巻物のように長く、「汁」「生」「やきもの」「煮」「あげもの」などに分かれ、150種以上がずらり。目移り必死だ。「お客様の好きなもの、ちょっと変わったもの、おすすめなどお話をしながら、メニューを決めこんでゆく」カウンター割烹ならではの醍醐味に溢れている。それでもあえておすすめは?と問えば、「汁物、煮物でしょうか」とのこと。真昆布と鰹の一番だし、玉ネギのだし、焼いた魚の骨と昆布のだしなど、通常、だしは3種用意。「サエズリと青菜」なら、大阪らしくサエズリ(クジラの舌)を戻し、チンゲン菜と一緒に一番だしで炊き上げ、葛をひいた。サエズリのコクとだしのうまみが実感できるひと品だ。

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