価格的に“カジュアル”な店でありたい!
オーナーシェフの川瀬一馬さんは関東のご出身。東京・丸の内の『resonance』、銀座の『銀座KAN』、虎ノ門の『LE PETIT TONNEAU』などで研鑽を重ねた後、仏ブルゴーニュへ渡り、本場の味を学んだ後帰国。2014年6月、奥様の実家がある福岡で独立を果たした。
食材と人の良さに惹かれて福岡を選んだという川瀬シェフは、カジュアルに利用して欲しいという想いを強く持っていたという。「カジュアルと言っても、スタンディングとかバルっぽいといった空間のことではなく、金額がカジュアルでありたいと考えました」。メニューはアラカルトのみ。グランドメニューはなく、食材ありきで毎日メニューが変わっていく。
自然派ワインとともに楽しみたい! 季節を感じる料理の数々
そんな『Yorgo』の定番となっているのが、この「ウニとジャガイモ」(1,080円)だ。中華料理のジャガイモの細切り炒めにヒントを得たというこのメニューは、ジャガイモのシャキシャキとした食感が絶妙。オープン当初からSNSや口コミで拡散され、このメニューを求めて訪れる客も多かったそう。最近はSNSやグルメサイトを見た外国人客も増えており、2017年11月には、シンガポールの人気レストラン『Humpback』でポップアップイベントを成功させたばかり。国内のみならず、世界へと活躍の場を広げている。
“カジュアル”といえば、グラスワイン(648円〜)が常時17〜18種類も用意されているのもうれしいところ。そのうち8〜9割が自然派ワイン。ボトルもあるが、料理に合わせてワインを選んでいくのも楽しいもの。ワインに詳しくなくても、好みを伝えればセレクトしてくれるのでありがたい。
ワインとの相性の良い料理も多く、この「〆サバとキンカンのキャロットラペ」(972円)は、爽やかな白ワインとともに味わいたいメニューのひとつ。
「サバを〆るときにカボスやすだちなどの柑橘類を入れることも多いように、サバと柑橘類は相性抜群のはず。脂ののったこの時期のサバと、甘すぎずほろにがい味わいのキンカン、そしてキャロットラペの組み合わせを楽しんで欲しいですね」と、川瀬シェフはいう。
メニューは日々変わっていくものの、オープンから4年目ともなれば、この季節になったらこの料理といった、季節の定番的な料理ができてくる。この「イチゴとウドとフルーツトマトのサラダ」(1,080円)もその一つ。1月から3月ごろまでに登場する、冬の限定メニューである。
「ウドは好きな食材のひとつで、フルーツのような甘さとほろ苦さが好きなんですよね」と川瀬シェフ。味を仕上げるのに使っているのは、『高橋農園』(福岡・糸島エリア)のブドウで作られたモスコット(ブドウ果汁を煮詰めて凝縮させたイタリアの調味料)。これを加えることで、ただ合わせただけではない料理に仕上がるという。