特集 / 古都の雅を感じる金沢で訪れたい新顔5選
ひがし茶屋街で江戸時代の情緒を感じるカフェへ

石川(金沢), 9月

2017年9月25日

ひがし茶屋街で江戸時代の情緒を感じるカフェへ
にし茶屋街(ちゃやがい)、主計町(かずえまち)茶屋街とともに、金沢三茶屋街のひとつとして数えられるひがし茶屋街は、最も面積が広く規模も大きい。石畳の道の両側にべんがら塗りの茶屋建築が並ぶ、江戸時代の面影を伝える界隈は、重要伝統的建造物群保存地区にも指定されている。多くの観光客が世界中から訪れるが、今も営業しているお茶屋さんは、一見さんお断りの伝統を守り続けている。

茶屋街の建物は、1階と2階の様式が違うのが特徴だ。1階は女将や芸妓さん、手伝いの者が働く場であるため、中が見えにくい木虫籠(きむすこ)と呼ばれる目の細かい格子がはめられている。一方、2階は旦那衆が宴を開く場所になっていたため、窓が開け放てるようになっている。 街の中を通る直線の道は、浅野川に近い方から、一番丁、二番丁、三番丁と呼ぶが、CM撮影やガイドブックなどにもよく使われているのはメインストリートの二番丁。その西側、ちょっとした広場のようになっているゾーンに面して建つ、特有の様式を持つ一軒を活かして、2017年1月にオープンしたのが『東山 一久(いっきゅう)』」だ。

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ひがし茶屋街特有の様式を見せる外観

旦那衆の気分を、棒茶を飲みつつ味わう

店内はモダンな雰囲気のカフェテリア方式。好みのメニューをオーダーして支払いを済ませる。1階には坪庭を囲むカウンター式の客席があるが、ぜひ利用してほしいのが2階のテーブル席だ。

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気軽に利用できるスタイルだ

2階からは、茶屋街の家並みが眺め渡せる。ガス灯を模した街燈、べんがらで塗られた家壁の前で風にゆれる柳。かつて、旦那衆が見た光景だと思うと感慨深い。撮影日はあいにく雨が降っていたが、金沢は「弁当持っても傘忘れるな」と言われるほど雨が多い土地柄。しとしと降る雨に濡れる街の風情も色気がある。

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気候が良い時分には、窓を開けてくれる

ほっこり、ひと休みしたい時におすすめなのが、加賀野菜のひとつであるサツマイモ「五郎島金時」を練り込んだ、トロリなめらかな餡入り大福。もっちりやわらか。金沢で日常的に飲まれている、茶の茎を焙じた、香り高い加賀棒茶との相性もぴったり。また、意外に思えるかもしれないが、ねっとり濃厚に仕上げるチーズケーキにも加賀棒茶がよく合う。

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加賀棒茶250円、大福1個300円、ブルーベリーソースをかけたチーズケーキ 450円
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