多くの観光客が常にひしめき合う、京都観光のメッカ「八坂神社」の石段から南にしばらく歩くと、東山安井交差点がある。そこを東に。軽い上り坂の途中、左手に建つビルの1階に、2016年の七夕にオープンしたばかりの『祇園 にし』がある。
目印は色鮮やかな暖簾。京都では春夏と秋冬で暖簾を掛け替える店が多いのだが、『祇園 にし』は、春は桜、夏は浴衣地、秋は野菊、冬は椿、四季ごとに違う暖簾を仕立てている。
目印は色鮮やかな暖簾。京都では春夏と秋冬で暖簾を掛け替える店が多いのだが、『祇園 にし』は、春は桜、夏は浴衣地、秋は野菊、冬は椿、四季ごとに違う暖簾を仕立てている。
33歳。和食の世界では圧倒的に若い店主の西隼平(じゅんぺい)さんは、20歳の頃から自分の店を開く目標をもって、木屋町にある人気日本料理店『とくを』で修業。その後、「フォワグラやトリュフも扱ってみたくて」、イタリア料理店でも腕を磨く。努力の甲斐あって、一国一城の主となった。
接客を担当するのは奥様の里映(りえ)さん。料理業界は未経験ながら、服飾や着物業界で慣らした接客テクニックと美貌、華やかな着物姿でもてなしてくれる。
西さんが、「結婚した当初から、いずれ店を持つと宣言していたので、どこかの店に女将見習いに行こうかと申し出てくれていましたが、他店のカラーに中途半端に染まるより、初々しい方が良いかなと思って…」とノロける横で、里映さんは「器を運んだり、飲み物を注いだりは全くの未経験。まだ毎日ドキドキしています」と苦笑する。