近年、奈良はかき氷の聖地として知られ、毎年夏には全国各地からかき氷好きが集まる街となっているのはご存知だろうか? 奈良国立博物館からほど近い春日野町にある氷室神社は、和銅3(710)年に鎮祀され、平城京に氷を納めてきた由緒正しい神社。毎年5月には献氷祭が行われ、全国から製氷・販売業者が参詣する、いわば日本の氷の聖地といった存在。
そんな氷室神社との縁もあって、約5年前から専門店やメニューにかき氷を加える店が増え始め、今ではかき氷巡りのために奈良を訪れる観光客がおり、行列のできる店も少なくない。そんな、奈良のかき氷シーンにあって、異彩を放つ存在がこの『ビストロ ル・クレール』だ。
オーナーシェフでソムリエでもある吉崎公浩さんが1996年に寺町に『ビストロ ムスタッシュ』をオープン。2000年には現在の地に移転しフレンチの『ビストロ ル・クレール』とワインバーである『カーヴ・ド・ムスタッシュ』を開いた。以来、手間のかかったオーセンティックなフランス料理を求めるグルメから支持され続けている、たしかな存在である。