小倉の中心にある有名な飲食ビル、美松コアの2階奥にひっそりとたたずむ、隠れ家的フレンチがある。オーナーシェフの山﨑真吾さんは、高校卒業後、リーガロイヤルホテル小倉を経て上京。『ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション恵比寿』、銀座にあった『ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン』で修業ののち、27歳の若さで小倉に戻り自らの店『ブラッスリー ジャン・ピエール』を開いた。ジャン・ピエールという名の由来は、『ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン』でガストロノミー・プロデューサーを務めていたドミニク・コルビシェフに付けられたニックネーム。
現在も交流があるコルビシェフは『トゥールダルジャン』パリ本店副料理長を経て『トゥールダルジャン』東京エグゼクティブシェフなどを務めた人物だけに、山﨑シェフの料理もしっかりとしたクラシックの技を生かしたもので、もちろん鴨料理もスペシャリテとしてスタンバイしている。しかし、決してクラシック一辺倒ではなく、パスタやパエリア、あるいはアジアンテイストなものまで提供していたロブション時代に培った自由な料理スタイルも習得しているので、レンジの広さが特徴だ。