福井・浜町『開花亭』は明治23年創業で福井県はもちろん、北陸を代表する老舗料亭の一軒。そんな『開花亭』が2008年春に新たにオープンしたのがこの『開化亭 Sou-an』だ。写真を見ればお分かりの通り、店内に入ると従来の老舗料亭のイメージとはまったく違う空間が広がる。建築を担当したのは、現在建設中の新国立競技場をはじめ数々のプロジェクトを手掛ける、日本を代表する建築家・隈研吾氏。そこに、老舗料亭の料理が融合した割烹レストランとして開店した。
料理長の畑地久満さんは福井県の出身。大阪・北新地の割烹・料亭で修業ののち、地元に戻った。大阪では徹底的に技術を磨いたが、福井に戻って驚いたのは素材のクオリティの高さだったという。食材の豊富さと鮮度の違い。ゆえに野菜。水。米のすべてが美味しいと。それゆえに福井は手ごわかったと。食材に向き合い食材を使い切ることに注力した。素材の良さに手をかけることで料亭ならではの料理として昇華させる。そんな畑地料理長の料理への取り組みへの評価は「現代の名工」のみならず、福井県の仕事として、3年前から秋に蟹のプロモーションで香港、シンガポール、タイでフェアを取り仕切ったり、マドリッドフュージョンへの参加、ボキューズ・ドールのアジア大会前夜祭への参加など、世界にも発信している。