JR奈良駅から三条通りを東へ街の中心へと向かうと表れる二つの商店街。向かって左が「ひがしむき商店街」、そして右に進むと、いわゆる「ならまち」へと続く、「もちいどのセンター街」がある。その道の商店街の中の人気の一軒がこの『よばれや』だ。
ご主人の牧園宏規さんは、子供の頃「およばれする」という言葉をよく使っていたという記憶があり、その言葉の持つほっこりとしたイメージを形にしたいと、『よばれや』という店名としたのだという。
ご主人の牧園宏規さんは、子供の頃「およばれする」という言葉をよく使っていたという記憶があり、その言葉の持つほっこりとしたイメージを形にしたいと、『よばれや』という店名としたのだという。
約10年前に店を始めた当初はお酒を楽しめる店にしたいと考え、もともとおでん屋さんで働いていたこともあって、おでんと日本酒の店としてスタートした。いまも基本的にそのスタイルから大きく変化はないが、以前は奈良県の地酒に絞って揃えていた日本酒については、いろんな客の好みに応えるため、豊富な種類を用意するようになり、今では常時40~50種類の日本酒が揃い、そのうち10種類あまりは季節に応じた酒となっている。
店に入るとすぐに目に入る、澄んだだしに入ったおでんは、具材をすべて個別に下煮したもの。それらを鰹節と昆布のシンプルなだしで炊く。味が変わってしまうからと中身は毎日入れ替え、前日のだしは使わないほか、つくねやすじといっただしが濁って脂が浮くような肉系は入れず、フレッシュな旨みを味わう、雑味のない素直な味わいのおでんというのが特徴だ。