特集 / 新しい奈良。個性的なレストランをめぐる。
奈良散策の途中でちょうどいい“およばれ”の場所

奈良

2019年4月22日

奈良散策の途中でちょうどいい“およばれ”の場所
JR奈良駅から三条通りを東へ街の中心へと向かうと表れる二つの商店街。向かって左が「ひがしむき商店街」、そして右に進むと、いわゆる「ならまち」へと続く、「もちいどのセンター街」がある。その道の商店街の中の人気の一軒がこの『よばれや』だ。
ご主人の牧園宏規さんは、子供の頃「およばれする」という言葉をよく使っていたという記憶があり、その言葉の持つほっこりとしたイメージを形にしたいと、『よばれや』という店名としたのだという。
日本酒のラインナップは奈良県産以外にも幅を広げているが、以前のように自分の好みで置くのではなく、あまり偏りすぎないよう心掛けているという
日本酒のラインナップは奈良県産以外にも幅を広げているが、以前のように自分の好みで置くのではなく、あまり偏りすぎないよう心掛けているという

約10年前に店を始めた当初はお酒を楽しめる店にしたいと考え、もともとおでん屋さんで働いていたこともあって、おでんと日本酒の店としてスタートした。いまも基本的にそのスタイルから大きく変化はないが、以前は奈良県の地酒に絞って揃えていた日本酒については、いろんな客の好みに応えるため、豊富な種類を用意するようになり、今では常時40~50種類の日本酒が揃い、そのうち10種類あまりは季節に応じた酒となっている。

大人気だというお通しである「吉野葛で作ったコーンドウフの揚げ出し」は食べた瞬間は豆腐のように思うが、じわじわとコーンの甘みが口の中に広がる
大人気だというお通しである「吉野葛で作ったコーンドウフの揚げ出し」は食べた瞬間は豆腐のように思うが、じわじわとコーンの甘みが口の中に広がる
こちらの人気の一品。大和牛のコロッケ300円は、そのままでもだしにつけていただいても、二通りの愉しみ方で
こちらの人気の一品。大和牛のコロッケ300円は、そのままでもだしにつけていただいても、二通りの愉しみ方で

店に入るとすぐに目に入る、澄んだだしに入ったおでんは、具材をすべて個別に下煮したもの。それらを鰹節と昆布のシンプルなだしで炊く。味が変わってしまうからと中身は毎日入れ替え、前日のだしは使わないほか、つくねやすじといっただしが濁って脂が浮くような肉系は入れず、フレッシュな旨みを味わう、雑味のない素直な味わいのおでんというのが特徴だ。

変わり種の一品、トマトのおでんは480円。おでんだしだけでなく、オリーブオイルとオレガノをかけ、パンを添えて、洋風な仕上がりに
変わり種の一品、トマトのおでんは480円。おでんだしだけでなく、オリーブオイルとオレガノをかけ、パンを添えて、洋風な仕上がりに
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