JR奈良駅から大通りを渡ってすぐの住宅地へ続く道にある、居酒屋以上レストラン未満の使い勝手のいい一軒がこの『寧楽料理こくとぅ~ら』だ。
店名の“こくとぅ~ら”とはラテン語で、「料理」や「融合」を意味する言葉。店主の廣岡夏生さんはもともと一流の美容師であったが、自分の今後の人生を見つめなおしたとき料理の世界で生きていきたいと考え、約20年前に転身。もともと、スペインのバルのスタイルにはまっていたこともあり、新大宮で自らバルを開いた。その後奈良町に移り洋風カウンター割烹の店を営んでいたが、さらにもっと自由なスタイルの料理を目指して、JR奈良駅前にこの店を開いた。
それまでの店舗がスパニッシュにはじまり、イタリアンやフレンチの要素を加えていったが、さらに醤油や味噌、だしといった和のテイストを加えた料理を提供したいと考えるようになった。思えば、いにしえの奈良にはシルクロードを経て世界中から新しいものが伝来し、既存の文化が融合することで発展してきた歴史がある。そんな奈良の地に敬意を表し、奈良らしい料理をということで、この聞きなれない「寧楽料理」というジャンルを創作したという訳だ。