ホールや会議室を備えた県民交流プラザ。その最上階に、フレンチ界の巨匠、吉野建氏がオーナーシェフを務めるガストロノミーレストラン『オテル・ド・ヨシノ』がある。日本を代表するクラシックフレンチの旗手との呼び声高い料理長、手島純也氏が作る料理を目当てに、県外かからも多くの人が訪れている。
オーナーシェフ、吉野建氏は、かつてはパリに自身の店「ステラ・マリス」を構え、同店がフランスのミシュランガイドの一ツ星を獲得するなど、日本のみならず、本国においても才能を認められたフランス料理界の巨匠。『オテル・ド・ヨシノ』は、和歌山の食材を使用したフレンチガストロノミーレストランとして2005年にオープンした。
2007年には、フランス修行から帰国した手島純也氏が料理長に就任し、より古典フランス料理に特化した店となった。その当時、クラシカルな老舗レストランはあれど、あえて古典フランス料理を出すガストロノミーレストランは関西にはほとんどなく、かなり驚かれたそう。「私が料理長になった2007年に初めてミシュランガイド東京版が発行されたんですが、新しいスタイルのレストランばかり評価されていて。僕自身、フランス修行から帰ってきたところで、新しいスタイルが求められているならそうすべきかと思ったこともあったんですが、やっぱり古典が好きだと確信しました。日本にフランス料理を広めたシェフたちも引退される歳になってきて、私が古典フランス料理を突きつめ、次の世代に伝えていかなくてはと思いました」。