特集 / 和歌山ならではの豊かな食体験を愉しむ
和歌山の郷土食、なれすしを作り続ける老舗「弥助寿司」

和歌山

2019年2月21日

和歌山の郷土食、なれすしを作り続ける老舗「弥助寿司」
南海和歌山市駅から徒歩10分。北大通沿いに、明治時代から続く寿司店『弥助寿司』がある。創業時からなれすしを看板にして、昔も今も変わらない製法で、4代目・岩崎守さんが、紀州名物の寿司を作っている。

なれすしとは、有田、日高、熊野地方など、和歌山の幅広い地域に伝わる郷土すしであり、かつては祭りに欠かせない行事食として家庭で作られていたものだ。

『弥助寿司』は明治創業。初代の弥助氏は、有田から和歌山市に出てきて、なれすしを看板にした寿司屋を始めたそう。岩崎さんは、詳しい創業年はわからないと言うが、店内の壁には明治43年の新聞広告記事が貼ってあり、歴史の長さを物語っている。

なれすし1本1,350円(7~8月は休み)。以前は1匹まるごと漬けていたが、「頭がコワイ」という声が多く、片身で漬けるようになったそう。
1本1,350円(7~8月は休み)。以前は1匹まるごと漬けていたが、「頭がコワイ」という声が多く、片身で漬けるようになったそう。


なれすしの材料は鯖、塩、米のみ、と至ってシンプル。酢を使用せずに、発酵によって酸味や風味を出す料理法がとられている。生の鯖を1ヶ月、塩漬けした後、取りだして一昼夜、水にさらす。塩をまぶしたご飯と鯖を合わせアセの葉で巻き、木樽に詰めていく。そして、上から重石をのせ、自然発酵させる。漬ける時間は季節によって異なるが、『弥助寿司』では、店内横の発酵室で夏は1週間 冬は1ヶ月ほど漬けている。発酵を促したい時は日光の当たる場所に樽を動かすなど、経験と感覚で漬けいく。「人間が作ってるんじゃない。神様が作ってるもんやしね」と、岩崎さん。味見ができないので、食べ頃は香りで判断するそうだが、それでも毎回、少しづつ味が違うそう。

お品書きにはにぎりやちらしもあるが、メインはなれすしをはじめとする紀州の郷土寿司。
お品書きにはにぎりやちらしもあるが、メインはなれすしをはじめとする紀州の郷土寿司。
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