南海和歌山市駅から徒歩10分。北大通沿いに、明治時代から続く寿司店『弥助寿司』がある。創業時からなれすしを看板にして、昔も今も変わらない製法で、4代目・岩崎守さんが、紀州名物の寿司を作っている。
なれすしとは、有田、日高、熊野地方など、和歌山の幅広い地域に伝わる郷土すしであり、かつては祭りに欠かせない行事食として家庭で作られていたものだ。
『弥助寿司』は明治創業。初代の弥助氏は、有田から和歌山市に出てきて、なれすしを看板にした寿司屋を始めたそう。岩崎さんは、詳しい創業年はわからないと言うが、店内の壁には明治43年の新聞広告記事が貼ってあり、歴史の長さを物語っている。