特集 / 京都が一番美しい季節に、紅葉を愛でつつ美味しいひと時を
白川のほとりでいただく「京都の朝ご飯」

京都

2018年10月15日

白川のほとりでいただく「京都の朝ご飯」
ここ数年、雑誌などでも特集が組まれるほど、「京都の朝ご飯」が注目されている。実際、旅行中に「おいしい朝ご飯がゆっくり味わえれば…」と思ったことのある方も多いはず。柳揺れる白川橋のほとりにある『丹』は、旅人のそんな願いに応える、“日本の朝ご飯”をいただける一軒だ。京都の名料亭の新展開として、2014年にオープンした。
炊き立ての白飯。香り、甘み、うまみのバランスが良く、おかずと引き立て合う。
炊き立ての白飯。香り、甘み、うまみのバランスが良く、おかずと引き立て合う。

厨房を取り仕切る北嶋靖憲さんは、神奈川県の出身。「食べられないほどの大怪我をしたときに、食の大切さを知り」、料理人を志した。鎌倉の日本料理店で2年経験を積んだ後、京都の名料亭へ。以来、13年修業を重ね、オープン時から店を任されている。「ここは小さな台所がコンセプト。友人の家を遊びに来た時のように、みんなで食卓を囲んで温かい食事をいただきます」。店の中央には大きなブビンカの一枚板のテーブルが置かれ、朝昼食時には大皿に盛られた日替わりのおかずが6~7種並ぶ。それを取り分けていただくスタイルだ。

「京丹後の生産者を大切にしていきたいです」と話す北嶋さん。
「京丹後の生産者を大切にしていきたいです」と話す北嶋さん。

朝、昼食共に、まずは、だしと梅干が供される。ほっと一息、身体をリフレッシュできる。何より味わいたいのは、大皿にたっぷりと盛り込まれた、とれたての野菜。『自然耕房あおき』など、無肥料・無農薬の自然農法で野菜を育てる京丹後の農家からの仕入れだ。最適に火入れされた、玉ネギや、紅くるり(赤い大根)、黄ニンジンなどを、野菜のもろみ味噌もしくは塩、オリーブオイルで味わえる。「甘いというおいしさだけでなく、とれたての野菜には身体がすっと自然と取り込む栄養に溢れていますよね」

「まずはほっとして」と供される、真昆布と、鰹の本枯節や鮪節を使った、だし。梅干しと一緒に。
「まずはほっとして」と供される、真昆布と、鰹の本枯節や鮪節を使った、だし。梅干しと一緒に。

クリームチーズと胡麻でコクをプラスした白和えは、いぶりがっこ、赤コンニャク、椎茸の食感がユニーク。昼の「お肉の定食」なら、赤身のおいしさが伝わる黒毛和牛のイチボを炭火焼きで。それらのおかずと引き立てあう、京丹後・久美浜市野々地区の自家製米を使用した炊き立ての白飯も秀逸だ。無農薬・無化学肥料で、土づくりから精米まですべての工程をスタッフが行う。精米したての米は、甘みはもちろん、うまみがしっかりと感じられ、白飯をかみしめる喜びに満ちている。

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