富山では誰もが知る寿司店『寿司栄』。先々代が東京・日本橋で寿司店を営んでいたが戦争のため疎開。昭和23年にその疎開地、富山に出店した。その後、繁盛し常連がついたため、そのまま富山で店を続け今年で70年を迎えた。その『寿司栄』が開いたより大人向けの一軒がこの『寿司栄 華やぎ』だ。
市内の中心地、総曲輪(そうがわ)にある本店は、メニューは寿司だけというストイックな店。今回紹介するこの『寿司栄 華やぎ』は、2008年にオープン。街の喧騒から離れた静かな住宅街の中に佇む一軒だ。店内は、9人掛けの檜のカウンターをメインに、小上がり席も用意。ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で寿司や富山の食材を使った一品料理を楽しめる店となっている。
富山市内中心部からタクシーで約10分、ちょっとした隠れ家感のある店ゆえ、普段はメディアにほとんど露出しない店なのだが、今回特別に取材を受けていただいた。店を仕切るのは、寿司栄の3代目で代表取締役社長でもある坂本安男さん。夜の営業では会長であり今年77歳になられたお父様とともに、この店を守っている。江戸前の店は、どこか緊張感が漂うものだが、こちらはむしろアットホーム。特に会長の元気な声は、食べてまで元気にしてくれそうだ。