特集 / 食材の輝く富山、その最前線の味。
地元の新鮮な食材が生きる天ぷらは繊細な油遣いが決め手

富山

2018年8月20日

地元の新鮮な食材が生きる天ぷらは繊細な油遣いが決め手
「ミシュランガイド富山・石川(金沢)2016特別版」において、一つ星の店として掲載された『天ぷら小泉たかの』。富山には縁もゆかりもなかった、大阪出身の高野智朗さんが、5年前にオープンさせたこちら。圧倒的に食材の鮮度が高いこの地で、その良さを生かした天ぷらとは、どのような工夫がなされているのだろうか?
ビル内の店舗であるにもかかわらず、油臭さをあまり感じないのも支持される理由の一つ
ビル内の店舗であるにもかかわらず、油臭さをあまり感じないのも支持される理由の一つ

大阪の老舗天ぷら店で長年勤め、現場を任される立場だった店主・高野智朗さんは、いろんな縁やタイミングが重なって、右も左もわからなかったこの富山に店を持つことになった。実は「高野」さんなのに『天ぷら小泉たかの』という名をつけたのは、金沢で『天ぷら小泉』を営む修業時代の兄弟子からもらった名前なのだ。北陸で名の知れた店の名を借りて店をはじめて3年ほどしたころに転機が訪れたのはミシュランガイドに掲載されたこと。その後、県外からも多くの客が訪れ、名声は広まった。

地元で水揚げされたアマダイはウロコはカリッとクリスピーに身はふっくらと仕上げる
地元で水揚げされたアマダイはウロコはカリッとクリスピーに身はふっくらと仕上げる

高野さんの天ぷらの特徴は、なんといっても富山の地の素材の繊細な味わいを壊さず、うまみを閉じ込める工夫と技術だろう。こちらの天ぷらに使われる油は紅花油100%なのだが、これは胃もたれしにくく軽い仕上がりになる油というだけではなく、香りが強くないので、新鮮な素材の香りを壊さないのだという。実際、天ぷらを口にすると薄い衣の中から素材の繊細な香りがあふれ出し、都会でいただく天ぷらとは明らかに違う鮮度の良さが際立っている。

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