特集 / 初夏の出雲路に、地元民が愛する味わいを求めて。
季節を映す宍道湖七珍と日本海の幸

出雲

2018年6月18日

季節を映す宍道湖七珍と日本海の幸
松江大橋から西を向けば、宍道湖大橋があり、その奥に宍道湖が広がる。
夕陽が似合う景色に、宍道湖と日本海の幸が待つ『やまいち』さんへ大橋川沿いをぼちぼち歩いて行くことにする。
JR松江駅から北西へ徒歩15分ほど。この橋を渡ると「あぁ松江に来たなぁ」となる
JR松江駅から北西へ徒歩15分ほど。この橋を渡ると「あぁ松江に来たなぁ」となる

昭和39(1964)年から続く『やまいち』は、郷土料理・季節料理をアテに呑める居酒屋であり食事処。松江大橋の東にある松江新大橋北詰にある。

今は亡き先代が、橋の対岸(南)にあった実家から勘当されて「敷居じゃなくて大橋をまたぐな、と言われたそうです」と二代目・山根克久さん。 大女将の二子(つぐこ)さんはおでんの面倒を見たり、大鉢の煮付けなどを盛りつけたりと素敵なコンビだ。

おでんの前で二子さん。自家製のつみれもあればぜひ
おでんの前で二子さん。自家製のつみれもあればぜひ
カンピョウでくくった地の春菊は、さっとダシにくぐらせていただく。「カンピョウは固いから食べないでね」と大女将
カンピョウでくくった地の春菊は、さっとダシにくぐらせていただく。「カンピョウは固いから食べないでね」と大女将

「湖」と「海」が両方堪能できる稀有な場所

日本海最大級の汽水湖である宍道湖は、松江の街とも密接な繋がりがある。

宍道湖の幸は食文化を造り「スモウアシコシ(相撲足腰)」を頭文字にした宍道湖七珍と呼ばれる食材を今に伝える。スズキ、モロゲエビ、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シジミ、コイ、シラウオとあるが、フルメンバーが一時に揃うことはまずない。いずれにせよ、季節によって移り変わっていくのがまたいい。

二代目・克久さんとのうまいもん話が楽しめるカウンター席がお薦め
二代目・克久さんとのうまいもん話が楽しめるカウンター席がお薦め

5月中旬の取材であったが、まだ冬から春の食材が名残の頃。真夏にはそれらが姿を消し、海の幸が最盛期となる。シロイカ、サザエ、アワビ、ウニといった日本海の上物たちが待っている。 トビウオも食すことが多い日本海側であるが、7月には獲れなくなっていくという。この日はそのトビウオの子(卵巣)の煮付けがあった。粒が大きくプチプチとしながらもコクのある味わいに、まずやられました。

トビウオの子の小鉢600円。ビールが進む
トビウオの子の小鉢600円。ビールが進む

もう一つ小鉢でバイ貝を。貝も季節によって変わる。「お酒のアテにはニナ貝、ベベ貝も美味しいけど、今日はバイ貝がいいよ」と二代目。

記事の続きや限定特典(対象店のみ)は、ぐるなび会員登録/ログイン(無料)、およびおとなび会員(無料)とのID連携(無料)をするとご覧いただけます。
ぐるなび会員登録/ログイン(無料)する
  • ID連携とは、「おとなび」会員IDと、「ぐるなび」会員IDを連携することをいいます。
  • 通信費用は別途発生いたします。