大阪城本丸広場内に昨年オープンした、新複合施設「MIRAIZA OSAKA-JO(ミライザ大阪城)」のメインダイニング『Restaurant RASPBERRY with MOON BAR』だ。昼間はもちろん、ライトアップした夜桜もまた格別で、豪華春蘭な花見を愛した秀吉気分で食事が楽しめる。
受け継がれる近代建築で世界の味に舌鼓
大阪城天守閣の目の前、もともとは1931(昭和6)年に陸軍の司令部(旧第四師団司令部庁舎)として建築され、戦後は大阪府警察本部となり、その後2001年(平成13)まで大阪市立博物館として使用されていた洋館を昨年6月にリニューアル。1階は海外からの観光客を意識した土産物店やたこやきなどの“ザ・大阪”的なファストフード店が軒を連ねるが、2階はイタリアン、3階はフレンチと階を上がるごとにラグジュアリーな雰囲気が高まってくる。
今回ご紹介する『Restaurant RASPBERRY with MOON BAR』は、陸軍の司令部だった頃の造りをそのまま生かした内装で、真ん中に広い廊下があり、右が厨房、天守閣側の左手に店内が広がる。秀吉のお膝元だけあって随所に金色が配され、豪華な雰囲気を醸し出している。窓際の席からは、角度的に天守閣は見ることはできないが、満開の桜はばっちりと見えるという贅沢なロケーションだ。
料理はフュージョンフレンチ。大阪城という歴史を感じる特別な場所と最新の創作フレンチとのフュージョン(融合)なのだそう。永松広志シェフによると、「レストランのメインテーマが“世界を旅するレストラン”なので、月替わりにテーマを決めて、世界各国の料理を大阪近郊の野菜や素材を使って楽しんでもらえるようにしています」とのことで、さて、今日はどこの国に旅ができるのか、期待が高まってきた。
ミライザ大阪城自体が古城のような建物ということもあり、3月は古城つながりでフランスのロワール地方にちなんだ料理が並ぶ。ランチコースはメインが選べる1コース(4,800円。以下税・サービス料別)のみ。
前菜は、ロワール地方のブリエール自然公園をイメージしたひと皿に。ブリエール自然公園は茅葺き屋根の家屋が有名で、茅葺き屋根に見立てたカダイフが目を引く。カダイフとはとうもろこしと小麦粉、塩を水で練って糸状にしたものでフランスではよく使われる食材だ。