特集 / 大阪・桜の季節に伺いたいあの店へ
東西の鮨と和食の技を盛り込んだ名伯楽の店

大阪

2018年3月19日

東西の鮨と和食の技を盛り込んだ名伯楽の店
大阪のアーバンオアシスで、関西「住みたい街」の上位に必ずランキングされる靱(うつぼ)公園界隈。
かつては大阪が「天下の台所」と言われた当時は干物や肥料にする干鰯(ほしか)などの海産物が集散する靱塩干市場があり、今も近辺には昆布店や問屋が残る。
戦後すぐには占領軍専用の飛行場だったという東西に長い敷地は、広さ約9.7ha。現在は西半分がテニスコートとして整備され、東半分はバラ園としても有名だ。

ビジネスの中心地、本町にも淀屋橋にも近く、周辺に住むファミリーやビジネスマンたちが昼間に和める場所でもある。桜は約150本、花見の季節には新入社員がブルーシートを敷いてゴロリ、そんな光景もよく見かける。

4月上旬の靱公園。ここから『む田』までは1分もかからないⒸ船場経済新聞
4月上旬の靱公園。ここから『む田』までは1分もかからないⒸ船場経済新聞

公園周辺にはカフェやバル、若者向けの服屋や瀟洒な雑貨店などが増えている。最近、インバウンド観光客でごった返す梅田や難波などの繁華街にはないゆったりとした雰囲気を好んで集まっているようだ。

ネタは全国から、技術は西と東のいいとこ取り

14年前にこの店を開いた店主・牟田宗隆さんは、北新地や東京の鮨店、ミナミの日本料理店で腕を磨いた。途中、ミナミの串カツ料理や、本町の蕎麦店にも勤めたという。東西の鮨と幅広い料理を経験することで、今の店にも多彩な要素が反映されている。

公園そばに店を構えたのも「繁華街で修業したせいでしょうか、ゆったり商売をやりたかったんです。最初の頃は集客が大変でしたけれど」と話す
公園そばに店を構えたのも「繁華街で修業したせいでしょうか、ゆったり商売をやりたかったんです。最初の頃は集客が大変でしたけれど」と話す

光り物の代表、コハダにも牟田さんならではの仕事を施す。通常塩と酢で締める江戸前の仕事だが、こちらでは仕上げに昆布締めする。「お客さんはほとんど関西ですから」というスタンスだ。春の桜鯛は紀淡海峡に近い和歌山の加太。「春はここの鯛がめちゃくちゃうまい」とお薦めされた。秋の紅葉鯛は「明石が抜群」と関西ならではのネタを仕入れて産地を使い分ける。

大阪中央市場や築地、明石、和歌山のネタを仕入れ、時に直接漁港からも取り寄せる。手間はかかるが「相手は自然ですから。それでもいいネタを揃えたいんです」とサラリ
大阪中央市場や築地、明石、和歌山のネタを仕入れ、時に直接漁港からも取り寄せる。手間はかかるが「相手は自然ですから。それでもいいネタを揃えたいんです」とサラリ

以下、前菜、つまみ、にぎり10貫などが付く「お造り・にぎりのコース」10,000円(税別・以下同)より。

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