周囲は明治初期の建物で重要文化財の泉布観(せんぶかん)や「桜の通り抜け」でも知られる造幣局など見どころが点在する。公園内は火気の使用や場所取りは禁止となっているので、軽食を持って花見ウォーキングを楽しんでおこう。後にひかえる焼肉をより美味しくするためにも、ちょいとばかり風が冷たくとも散策しておくのが上策だ。
駅からすぐ南に架かる源八橋(げんぱちばし)は江戸初期から渡船「源八渡」があった場所。西岸には帝国ホテル大阪などを有するOAP(大阪アメニティパーク)もあり、都会と水の都を思わせる光景が入り混じる場所でもある。
その源八橋東詰からすぐ、創業40年の焼肉の名店『三福園』は家族を中心とした店だ。創業当時は橋のそばで屋台のようなカウンター店だったという。90年代に焼肉ブームを迎えた大阪で、早くから上質の肉を扱う店としてその名を広めてきた。
今は三男の金 大空さんが店長を務め、ご両親とも店に入る。32年ほど前に現地に移転し、隣の物件も空いたため、倍ほどに拡張されている。カウンター12席を含め、全部で88席の大店だ。産地を限定せず、仕入れ先と相談しながら主に九州産の黒毛和牛の霜降り肉と新鮮なホルモンを揃える。
「うまい肉は美しい」を再認識。
さて本日のお薦めを、とオーダーすると「(写真上から)ヒウチ、ミスジ、イチボでいかがでしょう」との声が返ってきた。
注文が入ればブロックから職人が一切れずつ切り分ける。
ヒウチはモモ肉でもやわらかく甘みがあり、片面をさっと炙る程度で食べれば、ムニッとした歯ごたえがありながらも極上の霜降りがとろけてくれる。
ミスジは腕肉の中でも味が濃く、霜降りの見た目に反してあっさりとした味わいで、何枚でも食べられそうだ。
時代に合わせてモモ肉も出すようになったというが、中でもイチボの赤身感が人気であるという。赤身特有のワイルド感もありながら、これまたしつこさがない。
1人前100gと、シェアして食べるに丁度いいサイズ。ヒウチ、イチボ各1,500円、ミスジ1,800円(税別、以下同)。