特集 / 大阪・桜の季節に伺いたいあの店へ
大川沿いの桜並木を愛でた後は美しき極上肉を。

大阪

2018年3月19日

大川沿いの桜並木を愛でた後は美しき極上肉を。
JR環状線桜ノ宮駅。淀川の旧本流である大川沿い、両岸の毛馬桜之宮公園は、桜並木で大阪市内有数の桜の名所。長さ4.2kmに約4,800本とも言われる桜の木が並ぶ。ソメイヨシノやヤマザクラ、サトザクラが植えられ、3月下旬から4月上旬がシーズンだ。

周囲は明治初期の建物で重要文化財の泉布観(せんぶかん)や「桜の通り抜け」でも知られる造幣局など見どころが点在する。公園内は火気の使用や場所取りは禁止となっているので、軽食を持って花見ウォーキングを楽しんでおこう。後にひかえる焼肉をより美味しくするためにも、ちょいとばかり風が冷たくとも散策しておくのが上策だ。

駅からすぐ南に架かる源八橋(げんぱちばし)は江戸初期から渡船「源八渡」があった場所。西岸には帝国ホテル大阪などを有するOAP(大阪アメニティパーク)もあり、都会と水の都を思わせる光景が入り混じる場所でもある。

源八橋を南に歩くとOAP港があり、この時期はさまざまな「さくら船」が運航する。奥は「銀橋」の名で親しまれる桜宮橋。大阪城天守閣も見えるⒸ(公財)大阪観光局
源八橋を南に歩くとOAP港があり、この時期はさまざまな「さくら船」が運航する。奥は「銀橋」の名で親しまれる桜宮橋。大阪城天守閣も見えるⒸ(公財)大阪観光局

その源八橋東詰からすぐ、創業40年の焼肉の名店『三福園』は家族を中心とした店だ。創業当時は橋のそばで屋台のようなカウンター店だったという。90年代に焼肉ブームを迎えた大阪で、早くから上質の肉を扱う店としてその名を広めてきた。

カウンター、テーブル席ともにロストル式鉄板。炭火よりもダイレクトに火が入る分、焼き上がりが早い。右奥にはテーブル席が広がり、貸切も受け付けてくれる
カウンター、テーブル席ともにロストル式鉄板。炭火よりもダイレクトに火が入る分、焼き上がりが早い。右奥にはテーブル席が広がり、貸切も受け付けてくれる

今は三男の金 大空さんが店長を務め、ご両親とも店に入る。32年ほど前に現地に移転し、隣の物件も空いたため、倍ほどに拡張されている。カウンター12席を含め、全部で88席の大店だ。産地を限定せず、仕入れ先と相談しながら主に九州産の黒毛和牛の霜降り肉と新鮮なホルモンを揃える。

先代からの「家族で食事を楽しむ場所」というコンセプト
先代からの「家族で食事を楽しむ場所」というコンセプト

「うまい肉は美しい」を再認識。

さて本日のお薦めを、とオーダーすると「(写真上から)ヒウチ、ミスジ、イチボでいかがでしょう」との声が返ってきた。

しっとりとした霜降りがたまらなく美しい
しっとりとした霜降りがたまらなく美しい

注文が入ればブロックから職人が一切れずつ切り分ける。

カットする包丁の切れ味も鋭く、キリリとエッジが立っている
カットする包丁の切れ味も鋭く、キリリとエッジが立っている

ヒウチはモモ肉でもやわらかく甘みがあり、片面をさっと炙る程度で食べれば、ムニッとした歯ごたえがありながらも極上の霜降りがとろけてくれる。

ミスジは腕肉の中でも味が濃く、霜降りの見た目に反してあっさりとした味わいで、何枚でも食べられそうだ。

時代に合わせてモモ肉も出すようになったというが、中でもイチボの赤身感が人気であるという。赤身特有のワイルド感もありながら、これまたしつこさがない。

1人前100gと、シェアして食べるに丁度いいサイズ。ヒウチ、イチボ各1,500円、ミスジ1,800円(税別、以下同)。

さっと塩胡椒した肉は、上肉ほど焼き過ぎにご注意を。特製スダチのポン酢や塩とワサビなどで食す。白ご飯にも合うフルーティーな自家製タレもたまりません
さっと塩胡椒した肉は、上肉ほど焼き過ぎにご注意を。特製スダチのポン酢や塩とワサビなどで食す。白ご飯にも合うフルーティーな自家製タレもたまりません
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