大阪の船場と言えば、10年ほど前までは商家の町の伝統を受け継いだ……といった感じで語られることも多かったが、ここ最近でずいぶん様変わりした。キタとミナミの真ん中、交通アクセスの申し分ない好立地が注目され、いわゆる「都心回帰」の流れも手伝って、タワーマンションがどんどん建ち始めた。もともとオフィスワーカーの多いエリアでもあり、人が集まれば当然、飲食店も増える。ジャンルもハコの大きさもさまざまな店が次々にオープンし、しのぎを削っている。
そんな中、2016年8月に開店した『Alla-Goccia』は、大阪市内で名の通った各店で経験を積んできた北村仁さんがオーナーシェフのイタリアンレストランだ。
そんな中、2016年8月に開店した『Alla-Goccia』は、大阪市内で名の通った各店で経験を積んできた北村仁さんがオーナーシェフのイタリアンレストランだ。
立地のよさを活かしたアプローチ
船場でも「ど真ん中」と言っていい平野町通沿いのビルの2階。200軒以上も回って選びに選んだというだけあり、まずは店に入るまでのアプローチが素晴らしい。大阪の大動脈である御堂筋から1本東、店のある2階だけにつながる専用階段を通って店内へ。重厚な金属製の扉と、照明をぐっと落とした階段が期待感を誘う。「店に入るまでに気分をリセットする空間をつくりたかったんです」と北村シェフ。
そして中に入れば、今度は一転して明るく、窓の多い開放的な雰囲気に。2階なので通りの喧噪とは距離があり、にぎやかな街の様子を感じながらも落ち着いて食事ができる配慮がうれしい。