特集 / 心ときめく至極のマダムランチ
実力もロケーションも申し分なし。さらに進化し続けるシェフに会いに行きたい

大阪,5月

2017年5月22日

実力もロケーションも申し分なし。さらに進化し続けるシェフに会いに行きたい
キッチンにて白いコック服の中、ひとりラフなシャツ&エプロン姿の高山龍浩シェフ。若くして、大阪のフレンチに新たな歴史を刻んだ人物だ。リッツカールトン大阪『ラ・ベ』をはじめ、正統派レストラン、カフェと多彩なスタイルを経験し、26歳で独立。『ミシュランガイド京都・大阪 2010』で一つ星として掲載されたフランス料理、土佐堀の『トゥールモンド』と言えば、ご存知の方もいるだろう。
ところが注目が高まるなか、2014年に『トゥールモンド』は閉店。同年に堂島川の北側にある「ほたるまち」の一角に移転オープンしたのが『アドック』である。ランチは2カ月ごとに内容が変わる5,000円(税・サ別)のコースのみ。ミシュランガイドで評価された実力に加え新進気鋭のシェフの進化が楽しめる内容に新旧の高山ファンが胸をときめかせ、来店する。

無口なメニュー、多くを語るアミューズ

堂島川沿いのほたるまちの一角、モダンでスタイリッシュな外観がひときわ目を引く。
堂島川沿いのほたるまちの一角、モダンでスタイリッシュな外観がひときわ目を引く。

場所は隈研吾氏がデザインしたABC朝日放送新社屋の隣。外観はシンプルモダンで内観は窓から光が差しこみ、石と木を基調にした温かみのある雰囲気の『アドック』。2カ月ごとに変わるランチコースの基本構成は、前菜からスープ、魚、肉、二種類のデザートに小菓子。ところが手渡されるメニューには、食材名だけが並ぶ。調理法や料理名はない。ドリンクは、お任せでペアリング3,000円~(税・サ別)を頼み、料理ごとに相性のいいワインをグラスで用意してもらうといいだろう。

手でつまむスタイルのスナックのようなアミューズ。ミニサイズでありながら季節の味がギュッ。写真で、空豆の皮にのった苔玉と見紛う一品はズワイガニと空豆のコロッケ。
手でつまむスタイルのスナックのようなアミューズ。ミニサイズでありながら季節の味がギュッ。写真で、空豆の皮にのった苔玉と見紛う一品はズワイガニと空豆のコロッケ。

シェフのもてなし度がわかるアミューズは、思わずテーブルに笑顔がこぼれるプチ日本庭園のような盛りつけ。ひとつ、ひとつ、素材と調理法を説明してもらうのだが、簡単に味を想像できないほどに手間ひまがかけられている。

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