特集 / この冬訪れたい! いまの福岡・博多のハイレベルな5選
生産者の想いを一貫一貫に込めていく 福岡の住宅街で至福のひとときを

福岡, 1月

2018年1月22日

生産者の想いを一貫一貫に込めていく 福岡の住宅街で至福のひとときを
かつて、福岡・博多の寿司といえば近海で獲れた新鮮な魚介をそのまま握る“博多前”が主流だった。しかし、近年は独自の感性で寿司道を追求し、それぞれに特徴のある寿司を供する店が増えている。今回ご紹介するのは、天神からも博多駅からもアクセスの良い高砂エリアにある『すし幸徳』。福岡市の南にあるベッドタウン、大野城(おおのじょう)市で約10年営んでいたが、2015年2月、福岡市内に移転し、さらなる注目を集めている。
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住宅街の中に名店が点在する高砂エリアにある

「大野城での10年は、自分にとってとても大事な時期でした。仲買の方や生産者の方など、人を介して多くの出会いがあり、それによって自分の寿司のスタイルはすごく変わりましたし、寿司や料理に対する意識も大きく変わりました」と、店主・森下幸徳さん。

大野城での10年、特に最初の頃は決して順調と言えるものではなかったそうだ。

「中洲でやっていたという自負もあったので、当時も夜は1人8,000〜10,000円くらいの価格帯でやっていました。その一方で1,200円のランチもしていたんですよね。夜のためにいい食材は揃えるけど、1,200円でしようと思ったら、それなりのものを買わないといけなくなりますし、生山葵を使うこともできません。昼と夜、それぞれに仕入れて、それぞれにロスは出る。その状況がよくないと思って、思い切ってランチをやめました」

同業の先輩方から仕入先を紹介していただいたりしていたが、ある時期から柳橋連合市場に通うようになった。

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森下さんから素材のことをいろいろ聞くのも楽しい

「当時はまだ新鮮な魚が重宝されていた時代。柳橋は今よりすごく活気がありましたが、しばらくすると熟成のブームがきて、みんなが毎日市場に行かなくなったんですよね。老舗の寿司店の大将が引退されるときに、雑誌のインタビューで博多の寿司割烹に苦言を呈していたんです。『博多の寿司割烹はシャリを使わない。つまみだけで終わってしまう』と。その頃からですね。寿司中心でやっていこうと考えるようになったのは」

仲買人や生産者の皆さんがいるからこそ、握らせていただける

昼は8,640円から、夜は21,600円からのおまかせのみ。

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この日のつまみは、1カ月寝かせた鰆、あん肝、自家製のカラスミ

全国各地の信頼の置ける仲買人、自ら生産者を訪ね歩き出会った農家……彼らがいるから、自分は寿司を握ることができていると話す森下さん。一つひとつの食材の背景を丁寧に伝えてくれる。
この日のイカは、五島列島の『林鮮魚店』から届いたアオリイカ。

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甘みが際立つのが特徴だ

サバも『林鮮魚店』の「倭寇サバ」。

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漁師が1本1本海中放血神経締めしたもので、脂がしっかりのっている


『林鮮魚店』の店主、林ともみさんが取り扱う魚は全国各地の料理人たちから絶大な信頼を得ており、寿司や和食のみならず、フレンチやイタリアンなどでも使われている。

「林さんと出会ったのは2016年の夏ごろ。五島出身のお客様に紹介していただいて、家族で五島に遊びに行ったのがきっかけでした。そこで魚のことを話していると、『うちの魚は必ず置いてから使ってください』と言われて。自分も魚はしばらく置いた方が美味しくなるという考え方だったので、同じ方向を見られている方だなと思いました」。
このクエも『林鮮魚店』から届いたもの。

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2週間ほど置いてようやく柔らかく、甘みが出てきたという

林さんと出会ったことがきっかけで、森下さんは、熊本・南阿蘇で米を自然栽培している高島和子さんや福岡・うきは市で卵を生産する『ゆむたファーム』の髙木雄治朗さんと出会う。

「高島さんのお米は既に完売してしまっていたので、高島さんのお隣で米を育てている北野さんという方のササニシキを使わせていただいています。昨今のお米は粘りがなく、自分は古米を使っていましたが、高島さんや北野さんのお米は新米でも握ることができるんですよ」

土付きの野菜や草、フルーツ、大麦や糠などを発酵させたものを餌として与え、平飼いにされた『ゆむたファーム』の自然卵は、昨今の色の濃い卵とは一線を画したレモン色。

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「以前の卵に比べて色は薄くなったけれど、味は格段に濃くなりました」

大野城時代も現在も、新しい出会いを通して、『幸徳』の寿司は進化を続けているのだ。

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