『ごずこん』という一風変わった店名は、「胡麻」「豆」「昆布」の頭文字に由来するもので、 薬膳や栄養学で用いられる言葉。縄文時代から食べられているとされ、それぞれが健康食材として知られていた。といって、こちらは健康食の店などではなく、店主の鵜川誠二さんが最初に手掛けた店が小豆の店だったということと、「マメ」な商売がしたいという気持ちから名付けられた店名。
むしろ、そんな堅い話は横に置いておいて、自由に楽しめる、街で遊び慣れた大人のための宿り木的な一軒がこの『ごずこん』だ。祇園花見小路を上へ、新橋通を東に入った飲食店が密集するエリアにこの店はある。店の中に入ると12席からなる大きなカウンター席はいつも遅くまでにぎわう。和も洋もと好きなものを食べたいという欲張りな遊び人たちに向けて、料理の幅は驚くほど幅広い。
毎日、お造りから、揚げ物、炭焼き、パスタなど、常時60種類程度がメニューに載る。特に人気でぜひ食べておきたいのが、錦市場近くに店舗を出すほどに人気の餃子。やしきたかじんさんも好きだったという名物メニューで、酢に黒コショウを挽いた酢コショウでいただく。見た目は一般的な餃子だが、皮の中は餡と葛粉でとろみをつけた豚骨スープの二層構造になっていて、噛めば旨みがあふれ出す小籠包のような餃子だ。なお、手包みのため大量に作ることができないので、錦の店舗では1日30食だけの販売となる。