先日放送された、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」でも肉に魔法をかける孤高の匠として紹介された『サカエヤ』の店主・新保吉伸さん。霜降り偏重、A5至上主義の日本のいびつな肉文化にあって、等級ランクが劣る肉のポテンシャルを最大限に引き出すということで、全国の料理人、食通が彼の仕上げる肉を扱いたいというほどの人物だ。その新保さんが南草津の『サカエヤ』の横に開いたレストランが『セジール』だ。
『セジール』のシェフは、村田巧さん。「ロテルド比叡」の料理長時代に、新保さんと生産者まわりをしていた頃からの付き合いで、『セジール』を開店するタイミングでシェフに就任した。真面目な料理人で、常に肉と向き合うストイックな姿勢にファンも多い。
こちらでいただきたいのは、もちろん肉料理だ。産地は日によって異なるが取材日は近江牛ランプ(2,500円/100g)、経産和牛ロース(2,400円/100g)、北海道産十勝若牛(2,300円/100g)という3種類の牛肉と三重県の全寮制の農業高校である愛農学園で育てられる愛農ナチュラルポーク(1,100円/100g)という豚肉からなる4種類となっていた。肉はじっくりと炭火で焼き上げられ、芳ばしく、また肉の内部にしっかりと旨みが蓄えられている。