大津市の中心部にある旧大津公会堂は、昭和9年に建設され、長年市民の交流の場として親しまれてきた場所。滋賀県近代化遺産総合調査では大津市内に現存する建築物の中でも意義あるものとしてランク付けされており、歴史的にも価値の高い建物だという。その大津公会堂が耐震補強工事などを経て生まれ変わった9年前にオープンし、この地で高い人気を誇るイタリアンが、この『リストランテ ラーゴ』だ。
グランシェフの田中一広さんは、地元の生まれで、イタリアのトスカーナとリグーリアを経て、三宮、芦屋のイタリアンを経て、9年前この地に店を開いた。滋賀で店を開くことの良さをシェフに尋ねると、なんといっても自然が豊かなことだという。店から農家までの距離が非常に近接しているので、自ら会いに行って食材を確かめることができ、その上鮮度が違うという。イタリアンという素材の味をダイレクトに表現する料理を提供する場所としては非常に魅力的な土地だと言えるだろう。田中シェフは特に野菜の違いを語っていたが、たしかについさっきまで土の中にあった食材をすぐに料理にすることができるというメリットは計り知れない。