新快速なら大津の次に停車する石山。奈良時代創建の大本山石山寺で知られるこの街で、JR石山駅から歩いてすぐのところにあるのがこの『粉もんダイニング あ・うん Ishiyama』。店名が示す通り、自家製麺やお好み焼きが楽しめる店であるが、関西では珍しいもんじゃ焼きも評判の一軒。関西での鉄板文化はやはりお好み焼きが中であるため、なかなかもんじゃ焼きを口にする機会は少ないと思うが、基本的な構成要素はお好み焼きと大差ないから、関西人の口に合わないわけがない。
“粉もんダイニング”とカジュアルなネーミングだが、古民家風の店内は掘りごたつ席が中心ンの落ち着いた雰囲気。一品料理も充実してて写真の馬刺しのほか朝挽き地鶏のたたきや串焼きなどメニューは豊富。また、日本酒は滋賀の地酒をはじめとしたこだわりのラインナップ。熱燗をオーダーすれば酒燗器でじんわりを温めてくれる。その上、都会では考えられないリーズナブルな価格設定なので、ついついたくさん飲んでしまいそう。もちろん、焼酎も麦、芋、米、紫蘇、黒糖とさまざまなタイプが揃う。
もんじゃ焼きはベースとなるのが「鶏もも&ベビースター&コンソメパンチ」「明太チーズ」「豚キムチチーズ」「トマトチーズベーコン」という4種類でそこにすじコンやネギ、もちなど好みに応じたトッピングをするのが楽しい、まさに“お好み”焼き的メニュー。焼いたことがないという人のためにちゃんと指導してくれるし、わかりやすい「もんじゃの焼き方」もスタンバイ。お好み焼きのコテを小さくしたようなヘラで押さえつけて少し焦がしていただく。キャベツの甘みと具材の旨み、自家製和風だしと煮込んだ牛ホルモンの甘みを隠し味に加えただしの深みを感じる。これだけで、ビールが何杯も飲めてしまうような逸品だ。もちろん、お好み焼きもスタンバイしていて、関西の一般的な混ぜ焼きタイプも広島風もある。30分かけてじっくり焼き上げられた、オリジナルのソースがたっぷりかけられた旨さはこれまた格別。