神戸・三宮北側。生田神社の裏手、飲食店がひしめくエリアに『和酒膳 寛』はある。黒を基調とした和モダンな空間で、新鮮な魚介と厳選された日本酒がいただけると評判の一軒だ。オープンは2018年5月、ご主人は38歳になる伊澤寛樹さんだ。
伊澤さんは東京生まれ。祖父が鮮魚店を営んでいたことから魚に触れる機会が多く、小さなアジなどを3歳で初めておろしたという。その後小学生ながら庖丁を持ち、自分で料理をすることが好きになり、中学生の頃には料理人になろうと心に決めた。服部調理師専門学校を卒業後、19歳で、京懐石を供する『日本料理いらか 銀座店』へ。15年間修業を重ね、副料理長を経験。「料理の基礎を学びましたし、失敗を恐れずどんな食材でもチャンスがあれば触るように心がけていました」と話す。
その後、縁あって元関脇・貴闘力氏と出会い、貴闘力氏が営んでいる『ちゃんこ鍋屋』の立て直しで神戸へ。そして、38歳で独立し『和酒膳 寛』をオープンした。「関東のスタイルを広めたいと考え、神戸で店を開こうと思いました。神戸の水が合ったことも大きいですね」。そして、一人で切り盛りできる規模の店で、5,000円~のコース料理と、約40品揃う「本日の単品メニュー」を供し、しっかりした味わいの純米酒を中心に日本酒を揃えた。