特集 / 海の幸も山の幸も驚くべき名店揃いの街・広島
地元食材にフォーカスを当てたフランス料理

広島

2018年2月19日

地元食材にフォーカスを当てたフランス料理
広島市の繁華街から少し外れた閑静なエリア、中区十日市町に、本物を知る大人だけが通うフレンチレストランがある。中国地方の食材に特化したテロワールの溢れる店で、訪れれば広島をはじめとした珍しい地産食材との出逢いが待っているだろう。

ワンランク上のレストラン体験

無角和牛のステーキ。黒毛和牛とは異なる味わいに興味津々(10,000円税別コースの、ある日のメイン)
無角和牛のステーキ。黒毛和牛とは異なる味わいに興味津々(10,000円税別コースの、ある日のメイン)

山口県の特産である無角和種は、日本で生産される和牛全体の1%にも満たない希少な牛だ。おそらく広島県で味わえるのはここを含めて希だろう。秋吉台のカルスト台地の水と草で育った牛だからか、赤身の味わいが「深い」。ペアリングは鳥取県の老舗ワイナリー北条のメルロー100%で、無角特有の野生味をふくよかに包み込んでくれた。

ほか、天然記念物の純血見島牛(みしまうし)や、山陰のアナグマがメニューに載ることもある。食い道楽であれば、このメニューのラインナップに必ずや一目置くであろう。

オーナーシェフの原田平さん

オーナーシェフの原田平さんは食材マニア。時には漁師と一緒に船に乗り込んだり、あるいはハンターと共に山に分け入ったりと、自身の扱う食材に対して、足を運んで五感で感じ、納得した品質の食材だけを取り扱っている。休日は無いようなものだが「食材が揃っていくのが楽しくて仕方ない」とうれしそうに笑う。

リゾートに訪れたような、明るいエントランス
リゾートに訪れたような、明るいエントランス

原田さんはフランス・プロヴァンス地方の、ミシュラン星付きレストランを抱える『ウストー・ド・ボーマニエール』で研鑽した。イギリスのエリザベス女王を始め世界のセレブリティが訪れる名門ホテルだ。その南仏のイメージを上品に再現している。

美味しい料理と会話をゆっくり楽しむための、くつろぎの空間する
美味しい料理と会話をゆっくり楽しむための、くつろぎの空間

店内は、シェフとの会話を楽しむカウンター席と、自分たちだけの時間を過ごせるテーブル席に分かれる。ベテランの専属セルヴーズ(女性のギャルソン)がほど良い距離感で接客してくれ、料理の味だけでないトータルで満足できるレストラン体験を提供してくれる。

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