特集 / 京都の夏の風物詩・納涼床 現在進行形
漬物店主兼酒場ライターがつくった 美味し愉しき酒飲みのための店

京都, 8月

2017年8月28日

漬物店主兼酒場ライターがつくった 美味し愉しき酒飲みのための店
錦市場の漬物店主であり、酒場ライターであるバッキー井上さんの店。というだけでも、酒飲みは心踊るかもしれない。バッキーさんのファンという人にも、よく知らないという人にも、名著『いきがかりじょう』(百練文庫)から、酒場についての名文を抜粋したい。

「飲みにいけば失うことばかりだ。お金も時間も愛も失うし頭も体も悪くなる」としながらも、「けれどもそうすることで大きなココロのケガから回避しているのかもしれない」と語り、さらに「あまりカッコよくはないが、いつのまにやら非常にゴキゲンな人生を過ごしてしまっている。酒場がなかったら俺の人生スカスカだ。誰がために鐘は鳴るだ、ほんま」と締めくくる。おわかりいただけたか、いただけないかはわからないが、酒場好きな人なら、きっとストンと腹に落ちるとおもう。

開け放した床の入り口は必ず路地にある。このあたりもたまらない理由だ

このように、酒を愛し、酒場を愛するバッキーさんがつくった店は、とにかく“美味く酒を飲むため”に、いろんなことがすべて心地よく出来上がっている。以前は韓国料理の店だったという空間は、程よく経年変化して、靴を脱いで、一歩店内に入っただけで「ああ、くつろぐわあ」となる。カウンターも良し、ちゃぶ台と座布団の席も良し、さらに、この季節なら納涼床だってある。

なんとも居心地の良い店内。知人の家を訪ねたようなくつろぎがある

「うちの床は、先斗町エリアの一番最北にあるでしょう? 隣は歌舞練場やからね、北側に川床席がないんで、三条大橋から北山までさーっと見通せて、景色が素晴らしくいいんです」というバッキーさんの言葉通り、川床席に座れば、三条大橋の向こう、はるか北のほうまで遮るものがなく、いかにも京都らしい風情を満喫できる。

小雨程度ならひさしが伸びて屋根になってくれる
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